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台風12号

被災者「くたびれた」 豪雨、猛暑と続き…

台風12号の被害を警戒し、避難所となっている体育館で過ごす人たち=岡山県倉敷市真備町地区で2018年7月29日午後2時23分、幾島健太郎撮影

 西日本豪雨で大きな被害が出た広島、岡山、愛媛の被災地では29日、台風12号による新たな災害を警戒し、住民らが早めに避難所に身を寄せた。台風による大きな被害は確認されていないが、豪雨の後も、記録的な猛暑、異例の進路をたどった台風と続き、疲れを隠せない被災者もいた。また、週末に大勢訪れると期待されていたボランティアが台風で活動できず、家の片付けなども滞った。

     豪雨での死者・行方不明者が計25人に上った広島県呉市では、台風が接近した29日午前9時、市内全域に避難勧告が出され、約80カ所の避難所に計1240人が避難した。同市焼山桜ケ丘の主婦、宮崎信子さん(77)は6日の豪雨の際は自宅にとどまったが、近くで起きた土砂崩れで住宅が被害を受けた。今回の台風では夫と話し合って避難し、「土砂崩れが起きなければいいが」と不安そうに山の斜面を見つめていた。

     同市天応地区の会社員、沖原経昭さん(56)は「台風の被害が何も無くてよかった」と胸をなで下ろした。ボランティア活動が中止となったが「仕方がない。何かあれば大変」と話した。

     広島市安芸区矢野東では台風の影響で道路の一部が浸水し、住民ら約20人が土のうを並べた。脇坂富男さん(71)は「何事もなく台風が過ぎることを願っている」と、ずぶぬれになりながら作業を続けた。

     岡山県倉敷市真備(まび)町地区の住民らは、今回は早めの避難を心掛けた。地区では、決壊した川の堤防修復工事が終わっておらず、避難指示は解除されていない。息子夫婦ら家族5人で暮らす松尾公仁子(くにこ)さん(67)は自宅2階に戻っていたが、29日午前7時ごろ高台の小学校に避難した。豪雨の際は自宅からボートで助け出された。「水が怖くて一睡もできなかった」と語った。

     市臨時職員の中川裕里さん(36)は今年5月に真備町地区に建てた自宅が浸水し、市内の実家で生活していた。しかし、そこも台風で土砂崩れの危険が迫り、両親や夫と避難所に移った。「豪雨、猛暑と続き、次は台風……。すっかりくたびれた」と肩を落とした。

     愛媛県宇和島市吉田町地区では29日朝から消防団員が集会所などを回って避難を呼びかけた。同地区の吉田高校には午後1時までに住民約100人が避難。豪雨後、親戚宅に身を寄せている長谷川詩織さん(29)は長女愛希(あいき)さん(9)が「また家が壊れる」と怖がり、早めに避難したという。同日夕、風雨が弱まった後も消防団員は被災地などを点検して回った。吉田公民館で避難する女性(74)は「昼間は家で片付けをしようと思っていたが、台風で全く進まなかった」と話した。【柴山雄太、久保玲、源馬のぞみ、中川祐一、黒澤敬太郎】

    大阪北部地震の被災地にも被害

     29日に上陸した台風12号は、大阪北部地震の被災地にも被害をもたらした。大阪府高槻市や茨木市では民家の屋根の補修用のブルーシートが暴風で飛ばされたり、外壁の一部が崩れたりした。吹田市や枚方市の商業用ビルでは地震被害の改修用の足場が崩れた。また、奈良市では2階建てのアパートの屋根が剥がれ飛んだ。

     枚方市では午前3時過ぎに同市の観測史上最大となる最大瞬間風速26.6メートルを記録。9階建ての同市新町1のビルでは、地震で割れた窓ガラスの入れ替えが済み、近く足場を解体する予定だった。高槻市氷室町4の市立阿武野小では、倉庫の屋根が強風で飛び、破片が道路を隔てた民家敷地に散乱した。

     全国的には強風によるけが人が相次いだ。静岡県熱海市によると、28日午後7時45分ごろ、熱海市の「ホテルニューアカオ」内のレストランで窓ガラス(高さ6メートル、幅20メートル)が割れ、女児(6)や男児(7)ら宿泊客や従業員5人が軽傷を負った。東大阪市では29日未明、住宅の屋根の修理中の男性(29)が転落し、左足を骨折した。伊豆諸島の三宅島(東京都三宅村)では28日夕、軽乗用車が強風にあおられ横転し、運転していた男性(59)が腕に軽いけがをした。【松浦吉剛、大谷和佳子、竹内麻子】

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