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芥川賞候補作の類似表現問題 普遍性を獲得したか=大原一城(東京学芸部)

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第61回群像新人文学賞として「美しい顔」を掲載した「群像」6月号
第61回群像新人文学賞として「美しい顔」を掲載した「群像」6月号

 今月18日に開かれた第159回芥川賞の選考会は、高橋弘希さんの「送り火」を選んだ。東日本大震災関連の先行著作との類似表現が指摘され、「盗用」の言葉も飛び交った北条裕子さんの「美しい顔」は選に漏れた。私は、関係出版社間のコメントの応酬など、騒動が拡大していく状況をただ追い続けた。ひと息ついてみると、現代らしい典型的な「炎上」になってしまったとの印象が強い。他の表現者の作品を、小説の中でどう扱うべきなのか。

 振り返れば、問題が表面化する前から、「美しい顔」はセンセーショナルで特異だと感じていた。被災地の女子高校生の独白調で「かわいそうを撮るなら金を払え」とカメラマンに内心毒づくなど挑発的な作品だ。この春、文学の担当記者になった私は、率直にこの作品は勢いや同時代性があって面白いと思った。

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