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「かまたま」は、釜でゆがいたばかりのうどんに生卵、そこに少量のだししょうゆをかけて味わう。今やうどん王国・香川だけでなく全国でも人気メニューだが、発祥の店とされるのが香川県綾川町にある「山越(やまごえ)うどん」だ。
卸し専門の製麺所から始まり、店は50年以上の歴史がある。かまたまの誕生のきっかけは客のアイデアだった。30年ほど前、卵かけご飯が大好きだった常連が生卵を持って来店した。「これを釜上げうどんの上に乗せて食べてみたい」。当時の店は製麺所の片隅に食事ができる小スペースがあるだけだった。そこで一心不乱にすする客の様子を見て、当時高校生だった2代目店主の山越伸一さん(48)も試してみた。熱々の麺に卵が絡み、おいしかった。やがて他の客の間にも「生卵のトッピング」は次第に広まり、うどん店を始めた約20年前、正式にメニューに加わった。
当初は「釜上げ玉子入りうどん」と呼んでいた。だが、名前が長すぎて厨房(ちゅうぼう)に伝えるのがどうにも煩わしい。そこで注文を取る役目だった伸一さんの母紀枝さん(72)が「かまたま」と省略し始め、次第に愛称として定着していった。
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