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大学関連

笑いをコミュニケーション能力向上に生かす「笑育」 東京理科大で芸人らが出前授業

お笑いコンビ「じなんぼ~いず」の講義を聞く学生ら=6月21日撮影
グループに分かれ、漫才のアイデアを練る学生ら
じなんぼ~いずのシギハラヨシアキさん(左)と掛け合い漫才に挑戦する学生

 東京理科大(東京都新宿区)は、松竹芸能(本社・大阪市中央区)のお笑い芸人らが出前授業する「笑育(わらいく)」を同大の講義に導入している。教師を目指す学生のコミュニケーション能力向上や授業をする上での発想力や表現力に「笑い」を生かす取り組みだ。

     東京都新宿区の同大神楽坂キャンパスで行われた講義に教師を目指す2~3年生19人が参加した。松竹芸能に所属する若手お笑いコンビ「じなんぼ~いず」が講師を務め、教室内は笑いに包まれた。

     この日の講義は全4回の最終回。「漫才作りにチャレンジ」をテーマに、漫才の台本分析▽「OH(オー)カード」漫才にチャレンジ▽言葉をポジティブに変換する「言葉の置き換えメソッド」--の3部構成で行われた。

     まず、講師のじなんぼ~いずの漫才を分析。ボケとツッコミの役割や、誰もが共通の認識をもっているものを対比したりずらしたりすることでつくられる漫才の構造を分析した。

     構造を理解した上で、5~6人ずつのグループに分かれ、さまざまな表情の人物が描かれている「OHカード」からグループで1枚を選び、描かれている人物の名前や性別、家族構成、性格などを設定。学生らがその人物になりきり、じなんぼ~いずと掛け合い漫才を行った。「名前は」「アンドリューです」、「小柄そうに見えますが」「身長は150センチなのですが、2メートルの妻がいるんです。いつも見下されています」。学生らは猫背になったり、険しい表情を作ったり、高い声を出したりしながら特徴をつかむ工夫をしていた。

     言葉の置き換えメソッドでは、「うるさい」を「動物園か」、「遅刻するな」を「時計っていう便利なものがあるのを知っているか」などポジティブな言葉に置き換える。授業を受ける児童や生徒を不快にさせずに、状況をいかに面白く伝えるかというポイントも学んだ。

     「笑育」は「笑いを使ったコミュニケーション力をはじめとする諸能力の育成」「芸人たちからユーモアのセンスを学ぶ」をコンセプトに、2012年から松竹芸能が開始した教育プログラムだ。これまで全国50以上の保育園や小中学校、高校、大学など教育機関のほか、企業などでも実践されてきた。

     当初は漫才を見せることが中心だったが、プログラムの改良を目指し、15年から教育哲学を専門とする東京理科大教育支援機構教職教育センターの井藤元准教授が企画・開発に携わっている。井藤准教授は松竹芸能に所属する漫才師や落語家らに聞き取り調査を行い、笑いの手法を体系化し、指導要領として仕上げた。同大は笑育を16年度前期から開講しており、19年度からの単位化も目指している。

     教職志望の学生を対象とした背景を井藤准教授は「授業のパフォーマンスや表現力を磨く機会がなく、見せ方がわからない学生が多かった」と説明する。開講当初は人前に立つ時に緊張で震えてしまった学生も、講義を重ねるごとに震えなくなった。

     じなんぼ~いずのウィーアー店崎さんは「学生が出したどんな答えにも興味を持つようにしている」と話す。興味を持つことでより一人一人のよい部分を引き出すことができるという。参加者全員でよい空気を作って共有することも大切だ。シギハラヨシアキさんは「ウケることが成功体験になるし、自信にもつながる」と語る。

     授業に参加した同大理学部第一部数学科3年の安藤裕希さん(22)は「自分に合う授業の見せ方がわかった」、同第二部2年の澤川颯人さん(19)は「講義は分かりやすかった。教育実習などで生かしていきたい」と話した。井藤准教授は「授業では役柄になりきる必要があることもある。学生の授業作りに生かしてほしい」と期待を込めた。【丸山仁見】

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