障害者

理解、歌で願い 尊厳・自立、分かりやすく表現 東京・日野の施設

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障害者施設利用者の前で完成した「みんな大事な仲間たち」を歌う歌手のSIOさん=東京都日野市で2018年6月27日午後2時23分、蒔田備憲撮影
障害者施設利用者の前で完成した「みんな大事な仲間たち」を歌う歌手のSIOさん=東京都日野市で2018年6月27日午後2時23分、蒔田備憲撮影

 障害者施設で起こる差別や虐待事件をなくそうと、東京都日野市の社会福祉法人が、障害者の尊厳や自立の大切さを伝える愛唱歌「みんな大事な仲間たち」を作った。2年前に起きた相模原市の障害者施設殺傷事件を受けて制作した。関係者は「障害者の権利を守る支援の一助にしてほしい」としている。

 制作を企画したのは、障害者施設を運営する社会福祉法人「夢ふうせん」の湯口裕理事長。2016年7月、相模原市の知的障害者福祉施設で元施設職員の男が19人を刺殺するという事件に衝撃を受けた。「施設職員であっても障害者の権利、尊厳を守る大切さを理解しているとは限らない」と危機感を抱いたという。

 同法人の運営する施設を含め多くの施設は、支援のあり方を定めた「運営方針」や「理念」を掲げるが「施設に張り出したりホームページに掲載したりするだけでは、職員の血や肉になっていない」と感じた。そんな時、明るい社歌を歌う企業を紹介するテレビ番組を見て「歌なら、職員も利用者も楽しみながら大切な理念を心に落とし込めるのではないか」と考えた。

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