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三菱重工

トルコ原発事業費5兆円に 当初計画の2倍超

シノップの位置

 三菱重工業は2日、トルコで進める新型原発建設計画を巡り、事業の実現性などを調べる事前調査の結果をトルコ政府に伝えたと明らかにした。安全対策費を含む総事業費は当初計画の2倍を超える5兆円規模に達する見通しとなった。費用高騰にトルコ政府は難色を示しており、今後の交渉は難航することが予想される。

     三菱重工などが進めているのは、トルコ北部の黒海沿岸シノップの原発建設計画。三菱重工とフラマトム(旧社名アレバ)の共同出資会社「アトメア」が開発した中型の加圧水型軽水炉4基を建設し、2023年の稼働を目指している。日本、トルコ両政府が13年、アトメアによる受注で事実上合意。事業化した場合、三菱重工など参画企業が建設費を負担し、発電による利益で回収する計画だ。

     今回の調査では、耐震対策費などの増加で当初2.1兆円程度と見積もられていた総事業費が5兆円規模に拡大。両国政府による支援なしでは採算が合わない可能性が高まった。三菱重工側は、こうした調査結果を日本政府に報告するとともに、7月末にトルコ政府に伝えた。関係者によると、トルコ政府は引き続き日本による建設推進を強く要望しているが、トルコ側の負担増には難色を示しているという。

     安倍晋三政権はインフラ輸出をアベノミクスの柱として推進しており、計画は安倍首相、エルドアン大統領の主導で始まった経緯がある。三菱重工関係者からは「コストや事故リスクを考えると、民間企業として採算性が合わない案件で、政治決着にならざるを得ない」との声が漏れているが、多額の政府支援に両国国民の納得が得られるかは不透明だ。

     事前調査は当初3月末を期限としていたが、見積もりを大幅に上回る公算となり、従来の期間を延長して実施していた。調査に加わっていた伊藤忠商事は4月、事業化のめどがたっていないことなどを踏まえ、計画から離脱する方針を表明している。【柳沢亮、横山三加子】

    キーワード・原発輸出

     相手国に原子炉などの設備を輸出し、原発を建設すること。2国間で安全管理などを定める原子力協定を結び、国際原子力機関(IAEA)の厳格な査察を受ける。新興国や途上国での電力需要の増加に伴い、原発建設は世界で拡大傾向にあり、中国、ロシア、フランス、日本などが輸出国となっている。

     事故などの際の賠償責任は原則、発電事業者が負うが、メーカーが過失責任を問われるリスクは残る。事業化に向けた事前調査は、建設予定地での地震などの影響を調べ、相手国に報告する。トルコの原発計画では、輸出交渉を有利にするため日本側が費用を負担している。

     トルコは地震が多発するほか、紛争地域にも近く、テロなどの危険を指摘する声もある。

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