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中村文則の書斎のつぶやき

芥川賞作家・中村文則さんが、いろいろな場所の「書斎」から、さまざまなことをつぶやきます。

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死の厳粛さ踏み越えた日

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中村文則さん=木葉健二撮影
中村文則さん=木葉健二撮影

 一枚の写真がある。教祖を含むオウム真理教の7人が死刑になった前日、法務大臣が親指を立て、笑顔で「グー」ポーズで写っている写真である。

 僕は元々死刑制度に反対だが、そのことは今回触れない。死刑というものが、どうやって行われるかを書こうと思う。当然のことながら、自動的に死刑囚が勝手に死ぬわけではない。実際に人の手により、つまり刑務官たちの手によって行われる。

 死刑囚の首に縄をかけ、床の穴が開く複数のボタンを同時に押す。なぜボタンが複数あるのかは、床が開くボタンを誰が押したかわからないようにするためであり、刑務官たちへの心理負担が考慮されている。

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