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社説

東医大が入試で女性差別 全医学部の調査が必要だ

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 大学医学部全体の信用にかかわる、信じがたい差別である。

 文部科学省幹部の汚職事件に関与した東京医科大が医学部医学科の入試で、女子受験生の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていた。得点操作はマークシートの1次試験の際に行われていた。

 減点の結果、受験者数で約4割いた女子は合格者数で3割に減少した。こうした操作は2011年ごろから繰り返されてきたという。

 憲法は法の下の平等を定め、性別を理由とした不合理な差別を禁じている。公正さを最も重んじるべき入試でこんな差別がまかり通っていたことに驚く。断じて容認できない。

 一般的に女子が少ない理系学部などでは「女子枠」を設けるなど、状況改善を目指すケースはある。今回の減点は事前に募集要項などでも受験生に説明されていない。女性数を抑えるための理不尽な不正である。

 この得点操作について、大学の関係者は「女性医師は離職率が高く、仕方のない措置だった」と話している。系列病院の医師不足の回避が念頭にあったという。10年の入試で女子合格者数が4割に達したことがきっかけだったとされる。

 だが、系列病院の事情と入試を同列視することがそもそも誤りだ。

 女性が結婚、出産後も仕事を続けられるようにするために、社会全体の取り組みが進んでいる。改革すべきは、当直など女性の勤務を可能とする系列病院の職場環境だろう。今回の得点操作はその努力を放棄し、女性の活躍の場を奪うものだ。

 文科省は同大に過去6年分の入試について調査報告を求めた。徹底的な実態解明が求められることは言うまでもない。

 不正が正式に確認されれば、私学助成金カットの対象になる可能性もある。大学は不当に不合格となった受験生への救済措置も含め、早急に対応しなければならない。

 懸念されるのは、ほかの大学医学部入試でも女子への差別が行われているのではないか、との声が学生や教育関係者から聞かれる点である。

 林芳正文科相は東京医大の調査結果を待つ考えを示したが、手をこまねいている場合ではなかろう。文科省は直ちに、全大学医学部の入試の実態調査に着手すべきだ。

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