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時代の風

意見言わない日本人 世界から置いてきぼり=長谷川眞理子・総合研究大学院大学長

=渡部直樹撮影

 もう10年以上前になるが、ある私立大学に勤めていたころ、環境問題を論じる1年生のゼミを担当したのだが、みんなが黙っているので困った。あとで学生に聞いたところ、高校までずっと、自分の意見ははっきり言わない方がよいという教育を受けてきたと言う。なんですか、これは!?

 その数年前に、アメリカのエール大学で教えていたときには、こんなことは全くなかった。みんな自分の意見を言いたくて言いたくて、中には発言すること自体を目的にくだらないことまで言う学生もいて、そういう発言を封じるのに苦労した。「言いたがり」と「言いたがらない」が競争したら、「言いたがらない」文化は負けると直感した。この違いはいったいどこから来るのだろう?

 一般的に、日本人は自分の意見を表明しない。まずは、その場にいる他者がどんな意見を持っているのかをいろいろと探る。そして、みんなとあまりかけ離れたことは言わないようにする。そうなると、異なる意見は表に出てきにくい。だからと言って、異なる意見がないわけではない。やがてそれが高じて不満がたまると、会議とは別のルートで表明され、対処すべく、また別のルートで調整することになる。

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