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『原民喜 死と愛と孤独の肖像』 著者・梯久美子さん

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梯久美子さん
梯久美子さん

 ◆梯久美子(かけはし・くみこ)さん

 (岩波新書・929円)

「魂の双子」のような出会い

 原爆文学の名作「夏の花」の作者に強くひかれた理由は、丸みのある文字で几帳面(きちょうめん)に綴(つづ)られた静謐(せいひつ)な遺書だったという。「美しく、透明感のある遺書を残した人が轢死(れきし)という凄惨(せいさん)な最期を選びました。でも、留学先のフランスでそれを読んだ親友の遠藤周作は『貴方(あなた)の死は何てきれいなんだ』と記しているのです」。広島市立中央図書館などで数通の遺書と向き合い、「時を超えて直接、その人の何かに触れる感覚」を味わった。

 原民喜(1905~51年)は夢や心象風景を内省的な小説や詩に描き続けた作家だった。「気が弱く、世間と折り合いをつけるのが下手。今風に言えば、コミュニケーション障害かも」

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