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探査機「はやぶさ2」がリュウグウで試料を採取して持ち帰る6年の旅を完遂。分析や次のミッションを解説。

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「水のないリュウグウ」失望から期待へ 初めて手にする物質の可能性も

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リュウグウ表面の水の存在を観測する近赤外分光計(NIRS3)の観測状況。灰色のところは未観測の場所。極域などに一部ある灰色以外の部分は観測済み=会津大、宇宙航空研究開発機構提供
リュウグウ表面の水の存在を観測する近赤外分光計(NIRS3)の観測状況。灰色のところは未観測の場所。極域などに一部ある灰色以外の部分は観測済み=会津大、宇宙航空研究開発機構提供

 そのとき、観測装置開発の責任者、北里宏平・会津大准教授は思わずノートパソコンを閉じた。「まさか水がまったく検出されないとは……」。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日、探査機はやぶさ2による小惑星リュウグウ観測の途中経過を公表した。リュウグウには、地球の海や生命のもとになった可能性のある水や有機物が豊富に存在すると考えられていた。ところが、水を観測する装置「近赤外分光計(NIRS3)」がリュウグウ表面の約9割の観測を終えた結果、水が存在するデータが得られなかったのだ。

 リュウグウは小惑星の中で、炭素を多く含む「C型」と呼ばれるタイプに分類される。これまで地上から観測されたC型小惑星のうち、約8割では水分が存在するデータが得られていたため、リュウグウにも水があるだろうと期待されていた。人類が訪れる初めての天体だからこそ直面した意外な結果に、北里さんは「パソコンで水が検出されないというデータを確認した瞬間、もう(データを)見たくないと思ってパソコンを閉じてしまった…

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【はやぶさ2】

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