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記者の目

被爆者の遺骨発掘に同行して 今に続く原爆の事実=寺岡俊(広島支局)

似島で遺骨の発掘調査を行う嘉陽礼文さん=広島市南区で4月23日、山崎一輝撮影

 広島は6日、73回目の原爆の日を迎えた。私は2年前から2度目の広島勤務となり、原爆をテーマに取材を続けている。今年、原爆投下は過去のことではないと実感する出来事があった。原爆による多数の負傷者が運ばれた広島港沖の似島(にのしま)(広島市南区)で、14年ぶりに被爆者の遺骨が見つかったのだ。大学院生の発掘調査に私も立ち会い、73年ぶりに地中から出てきた骨を手に取り、命が絶たれたことを肌で感じた。昨年から米朝間で核兵器を巡る緊迫したやりとりが続いている。世界の核状況は一進一退を繰り返しているが、私は被爆地の記者として核兵器使用の結末を伝え続けたい。

 周囲の山は緑豊かで、聞こえてくる波の音は心地よい。4月23日、広島港の沖合約3キロに浮かぶ似島で、作業着姿の広島大大学院生、嘉陽礼文(かようれぶん)さん(40)が土のついた白いかけらを手に「これ、骨ですね」と静かに言った。誰にも気付かれず埋まっていた「被爆者」だった。

 原爆投下直後、島東部の陸軍第二検疫所は野戦病院となり、20日間で負傷者約1万人が運ばれた。その多くが亡くなって島内に埋葬された。戦後に遺骨が発掘されたが、2004年の広島市の調査を最後に見つかっていなかった。島民に「まだ埋められたままの犠牲者がいる」と聞いた嘉陽さんは、4年がかりで資金をため、独自の発掘調査に着手。見つかったのは骨片100個で、広島県警の鑑定や専門家の分析により、被爆者の遺骨で、…

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