米中貿易戦争、どこまで 国際ルール無視の「力がものをいう世界」に!?
毎日新聞
2018/8/8 東京夕刊
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やられたら、やり返す--。そんな泥沼のような争いが今、世界を舞台に繰り広げられている。米国のトランプ大統領が仕掛け、中国が応戦する「貿易戦争」だ。終わりの見えないこの不穏な戦い、いったいどこに行き着くのか。【宇田川恵】
「まさか中国が対抗措置を打つとは思わなかった。それがトランプ氏の誤算の一つでしょう」。元農水官僚で通商交渉に詳しいキヤノングローバル戦略研究所の研究主幹、山下一仁さんはそう語る。
トランプ氏の頭の中には、1980年代に問題化した日米貿易摩擦の成功体験があるとされる。米国がこぶしを振り上げ、ガンガンたたいたら、日本は自動車でも牛肉でもオレンジでも譲った。「でも、それは日本が安全保障上、米国と関係があるからです。ところがどっこい、中国にとって米国はむしろ安全保障上の敵。そんなこと関係ありません」
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