東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県釜石市。2011年4月、余震が頻発する中、あいおいニッセイ同和損害保険釜石支社長だった森陽一(52)は壊れた住宅に入り、写真を撮影していた。地震保険金の支払いに向け、支社長自ら保険契約者の建物の損壊状況を確認し、避難所にいる契約者を代理店主らと一緒に訪ねて手続き書類のサインをもらう日が続いた。
3月11日の震災当日、6階建ての支社は2階まで水没。従業員8人のうち1人が車で逃げる途中、津波で亡くなった。森は他の従業員の無事を確認した後、元の支社の近くに事務所を借り、NTTに「保険金の支払いに必要」と直談判して電話を引いてもらった。机といす、電話10台だけを置き、4月1日、震災から3週間で支社の再開にこぎ着けた。「被災者の生活のため、一刻も早く保険金を払う」。損保社員としての使命感が森を駆…
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