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遠近両用コンタクトレンズのしくみ
各社の遠近両用コンタクトレンズが並ぶ店舗。販売数も伸びているという=東京都新宿区の「コンタクトのアイシティ」ミラザ新宿店で

 「最近、近くが見えづらい」--そんな世代の選択肢として遠近両用コンタクトレンズの品ぞろえが充実してきた。近くも遠くも自然に見えるというが、どんな人に向き、眼鏡とどう違うのだろう。

     「眼の総合病院」として知られる東京都千代田区の「お茶の水・井上眼科クリニック」。患者を対象に遠近両用コンタクトレンズの説明会を6月、初めて開いた。さいたま市の主婦、石崎綾子さん(51)は普段、近視用コンタクトを使っていて、スマートフォンの画面が見づらいと感じている。遠近両用眼鏡は持っているが「化粧をする時不便だし、外出時は面倒」。「外出時にワンデータイプ(1日で使い捨てのレンズ)を使ってみたい」と訪れた。

     ●1日使い捨て多く

     遠近両用コンタクトは今、メーカー各社が技術開発に力を注ぐ分野だ。現在遠近両用で主力の1日使い捨てタイプは2015年前後から種類が増え始め、このところ特に需要が伸びているという。

     コンタクトレンズ大手のシード(本社・東京都文京区)はタレント、飯島直子さんを起用し、40代から「身近な問題」として関心を持ってほしいとアピールしてきた。「近視用コンタクトの利用者は従来、手元が見えにくくなると装用を諦めて眼鏡に切り替えていたが、遠近両用の進歩でコンタクトを使い続けられることを伝えたい」と経営企画部の徳重豊さんは話す。

     近くを見る能力の衰えは10代から少しずつ始まるのだが、見づらさを実感するのは40代半ばごろから。人口の多い団塊ジュニア世代がその年齢に差し掛かってきた。一方、近視用コンタクトを使う若者世代は減っていることも、メーカーが遠近両用に注力する理由だ。徳重さんは「今後もレンズは進化するだろう」と予想する。

     老眼鏡や遠近両用眼鏡と比べた場合の利点は▽視野が広い▽老眼鏡のようなかけ外しの必要がない▽顔の見た目が変わらない▽レンズの種類によっては、遠近両用眼鏡のように視線だけを上下に動かす必要がなく、近くから遠くまで自然に見える--など。

     ●長時間装用避けて

     半面、見え方が遠近ともに眼鏡ほど鮮明ではない▽コストがかかりがち▽1日使い捨て以外は毎日のケアが必要▽人によっては視界がやや暗く感じる--といったデメリットがある。同クリニックの井上智子医師は「異物を入れるのは目に負担ではあるので、帰宅したら外すなど、長時間装用を避けて」と助言する。

     遠近両用コンタクトで特徴的なのは、見える仕組みにいくつか種類があることだ。同じ度数でもメーカーによって見え方が違うともいわれる。

     種類は大きく分けて「交代視型」と「同時視型」がある=図。交代視型は、遠近両用眼鏡と同じように、視線の向きで近くと遠くを見分ける。遠くを見たい時はレンズの中の遠くを見る部分を使い、近くを見たい時は視線を落とすなどして老眼用の部分を使う。ハードレンズに多い。

     一方、同時視型は近くを見る部分と遠くを見る部分の両方で同時に見て、焦点が合っている像を脳が選ぶという方式だ。オリの中の動物を見る時に、動物を見たいかオリを見たいかで見え方が変わるのに似ている。ソフトレンズと一部のハードレンズが採用している。この同時視型にはさらに、メーカーによってレンズの中心に遠くを見る部分があるタイプと、中心に近くを見る部分があるタイプとがあるが、使い方は同じだ。

     大抵の販売店ではレンズを試してみることが可能。大手のメニコン(本社・名古屋市)の広報担当、伊藤恵利さんは「求めるライフスタイルによって、最適なレンズが異なる。特性を把握したお店で試してみて」と勧める。

     レンズ選びに迷ったら、使う場面やコンタクトの使用経験も参考にしよう。

     コンタクト経験者は、今までと同じタイプを選ぶのが無難。近視用ハードレンズを使っている人は遠近両用もハード、といった具合だ。

     初めてコンタクトを使う人は、異物感が少なくケアのいらない1日使い捨てが向いている。「週末だけ」「スポーツをする時」など常時使わない人も同様だ。パソコンや書類を見ることが多ければ近くの見やすさを、車を運転する人やスポーツをする時に使う人は遠くの見やすさを重視する。

     ●半年ごとに検診を

     井上医師は「遠近とも一つのレンズで見えるのは便利だが、『若い時と同じように見える』ものではない」と過度な期待にくぎを刺し、眼科の定期受診を促す。「初期の老眼なら遠近両用レンズに替えなくても、近視用の度数を下げるだけでよい場合もある。老眼は進行するので、度数の微調整も必要。半年ごとの検診を勧めます」【田村佳子】

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