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幻の科学技術立国

「科学技術創造立国」を目指してきた日本は、中国など新興国が急速に台頭してくる中で存在感を失いつつあります。現場を歩きながら衰退の原因を探り、再生の道を考えます。

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幻の科学技術立国

第2部 源流を探る/3 準備周到、東大「独り勝ち」 外部資金獲得で収入増 法人化見越し改革先行

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東京大のシンボル、安田講堂=東京都文京区で、武市公孝撮影
東京大のシンボル、安田講堂=東京都文京区で、武市公孝撮影

 <科学の森>

 「大学を産業成長に活用していくには、もっとスピーディーに改革しなければ」「財源を多様化するため、不動産や株で稼げるような仕組みも必要だ」。5年ほど前、霞が関や東京大の研究室で、東大の改革を巡り、文部科学省や経済産業省、財務省の官僚らと頻繁に議論を重ねる2人の東大教授の姿があった。

 アベノミクスの目玉の成長戦略の一環として2013年に設置された産業競争力会議の議員に科学者として唯一選ばれた橋本和仁氏(現物質・材料研究機構理事長)と、現東大学長の五神(ごのかみ)真(まこと)氏。旧知の2人は十数年前から、互いの研究室や役所内で科学技術政策や大学政策をテーマに私的な勉強会を開いてきた。橋本氏は政府の総合科学技術・イノベーション会議の非常勤議員も務め、国の科学技術政策を提案する立場。「夕食をとる時間もなく、文科省の会議室でコンビニで買ってきたおでんを食べながら話したこともあった」と橋本氏は振り返る。

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