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長崎原爆の日

「核に頼らない」安保政策へ 市長呼び掛け

平和祈念式典で「もう二度と」を合唱する被爆者合唱団=長崎市の平和公園で2018年8月9日午前10時40分、上入来尚撮影

 長崎は9日、米国による原子爆弾の投下から73年となる「原爆の日」を迎え、長崎市の平和公園で平和祈念式典があった。田上富久市長は平和宣言で、核保有国や「核の傘」に依存している国に対し「核兵器に頼らない」安全保障政策への転換を呼び掛けた。日本政府には、唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約に賛同し、世界を非核化に導く道義的責任を果たすよう求めた。安倍晋三首相はあいさつで、6日に広島で開かれた記念式典と同様、条約には言及しなかった。

 式典には、被爆者や遺族ら約5800人が出席し、原爆投下時刻の午前11時2分に黙とうをささげた。国連トップとして初めて参列したグテレス事務総長をはじめ、核保有国の米露英仏中を含めた71カ国の代表も参列した。

 田上市長は平和宣言で、核保有国や「核の傘」に依存する国に安全保障政策を転換するよう求め、世界に向けて核兵器禁止条約への署名と批准を呼び掛けた。「朝鮮半島の完全な非核化」に合意した米朝首脳会談などにも触れ「外交によって後戻りすることのない非核化が実現することを期待する」などとした。

 また、この1年間で亡くなった被爆者のリーダー的存在、元長崎大学長の土山秀夫さん(享年92)と、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員、谷口稜曄(すみてる)さん(享年88)の言葉を引いて核廃絶を訴えた。谷口さんの言葉「人間が人間として生きていくためには、地球上に一発たりとも核兵器を残してはなりません」を借り、憲法の平和主義を継承すると誓った。

 安倍首相はあいさつで、政府として「非核三原則を堅持し、核兵器国と非核兵器国双方の橋渡しに努め、国際社会の取り組みを主導していく」などと語った。

 グテレス事務総長は「核兵器の廃絶は、国連の最も重要な課題。すべての国に対し、核軍縮に取り組むよう呼びかける」と述べた。

 被爆者代表として平和への誓いを読み上げた日本被団協代表委員の田中熙巳(てるみ)さん(86)=埼玉県新座市=は、核兵器禁止条約に反対する日本政府の姿勢を「極めて残念でならない」と批判し「核兵器も戦争もない世界の実現に力を尽くす」と訴えた。

 式典では、この1年間で死亡が確認された3511人の名前が記載された原爆死没者名簿が奉安された。今年から新たに名簿に登載されることになった、国が指定する被爆地域の外にいて被爆者として認められていない被爆体験者ら68人分も含まれている。奉安された死没者の総数は17万9226人になった。【浅野孝仁】

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