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若松孝二とその時代

2012年10月17日に若松孝二監督が突然の事故で逝ってから5年半余りがたった。「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」「キャタピラー」「水のないプール」「天使の恍惚(こうこつ)」「赤軍-PFLP・世界戦争宣言」「犯された白衣」など、日本映画史に残る傑作、問題作を数多く残した鬼才の死を惜しむ声は今も少なくない。「映画を武器に世界と闘う」「日本映画界をブチ壊す」--。半世紀にわたって、体制への怒りと反抗心をむき出しにした若松監督がこの国にもの申し、時代を撃ち続けた力の源泉とは何だったのか。ゆかりの深かった関係者へのインタビューなどから、にんげん・若松孝二の原点と魅力に迫る。

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若松孝二とその時代

(6)映画史家 四方田犬彦さんインタビュー

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「諸外国で若松作品を解説してきましたが、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』の背景を話すと1時間半ぐらいは軽くかかってしまう。映画を見るだけでなく、熱心な質疑応答が繰り返される価値ある作品なんです」と四方田犬彦さん=「若松孝二と足立正生の独立電影革命」が開かれた香港で2018年6月3日、鈴木隆撮影
「諸外国で若松作品を解説してきましたが、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』の背景を話すと1時間半ぐらいは軽くかかってしまう。映画を見るだけでなく、熱心な質疑応答が繰り返される価値ある作品なんです」と四方田犬彦さん=「若松孝二と足立正生の独立電影革命」が開かれた香港で2018年6月3日、鈴木隆撮影

 連載企画「若松孝二とその時代」第6回は、著作に「若松孝二 反権力の肖像」(平沢剛氏との共編著、作品社)がある映画史家・比較文学者の四方田犬彦さんのインタビューをお届けする。国内はもとより米ニューヨーク、オスロ、香港など海外各地で、若松作品の解説、講演に幾度も呼ばれており、若松監督の国際的評価にも精通している。作品それぞれの時代背景を重ねた分析は出色だ。若松監督自身にも何度も会っており、素顔を交えた話も興味深い。四方田さんの話から、映画史における若松孝二の特異な位置づけがうかびあがってきた。【鈴木隆】

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