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くらしナビ・気象・防災

インフラ企業の災害対応 震災教訓に各社備え

ガス管の復旧にあたる大阪ガスの作業員ら=大阪府高槻市で6月21日、小出洋平撮影

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 大阪北部地震や西日本を襲った豪雨など、各地で大規模な災害が相次いでいる。災害時は生活必需品のほか、電気やガス、ガソリンなどの供給網をいかに確保するかが重要な課題になる。ライフラインを担う企業は災害にどう備えているのかを探った。

 ●コンビニ

 東日本大震災では、コンビニ大手3社だけで約1290店舗が一時営業停止に追い込まれた。

 ローソンでは宮城、岩手、福島の3県にある店舗の約8割が一時営業を取りやめ、工場の被災で弁当やパンの販売も滞った。イベント用だった移動販売車1台を仮店舗として利用し、長野や大阪で生産された商品を被災地に回すなどした。

 こうした教訓を踏まえ同社は、厨房(ちゅうぼう)を設置した店舗を全国約5000店舗にまで増やし、おにぎりや弁当を店舗でも調理できるようにした。移動販売車も115台に増やし、今年7月の西日本豪雨では愛媛県大洲市に一部を派遣した。

 ファミリーマートは東日本大震災を機に自治体との連携を強化し、都道府県や市区の計74自治体と災害時協定を締結。被災地の情報をいち早く把握し、被災地以外で生産された商品を被災地に送るなどの対応をするためだ。災害時は特に飲料水の需要が高まるため、独自ブランドの天然水などを優先的に被災地に送るようにしている。

 配送用トラックの燃料を確保するため、セブン&アイ・ホールディングスは2014年、埼玉県杉戸町の物流センターに約400キロリットルの軽油やガソリンを備蓄できるタンクを設けた。

 ●ガス・電力

 ガス会社は国が定めた基準を超える揺れがあった地域で、ガスの供給を停止する。停止後は道路下のガス管や契約者宅でガス漏れがないかを確認するなど膨大な作業が必要。阪神大震災で大阪ガスは完全復旧に約3カ月かかった。地震の規模は違うが、今年6月の大阪北部地震では1週間で復旧した。

 短縮できた理由の一つは、供給エリアの細分化を進めたことだ。大阪ガスは阪神大震災時に管内を55ブロックに分けてガスを供給していたが、現在は164ブロックに細分化。この結果、供給停止する地域を限定することが可能になり、復旧作業も効率化した。

 大阪ガスは伸縮性が高く破断しにくいポリエチレン製のガス導管の普及も促進。震災時は68%だった整備率が今では87%となり、耐震性を高めた。ガス業界では国の指針に基づき、25年までに整備率を90%以上に高める方針だ。

 大災害時にはガス、電力各社は応援要員を派遣し合う体制を整えている。大阪北部地震では大阪ガスに21のガス会社が約2700人を派遣。7月の西日本豪雨では4電力会社341人が中国電力に応援に駆けつけた。業界内の連携強化も早期復旧のカギを握る。

 ●石油・ガソリン

 東日本大震災で被災地は深刻なガソリン不足に見舞われた。津波などで沿岸部の製油所と油槽所計29カ所が稼働を停止。日本の石油精製能力の約3割が機能不全に陥るなどしたためだ。

 災害時対応を強化するため12年に石油備蓄法が改正され、石油元売り各社は共同作業態勢を取ることが義務付けられた。16年の熊本地震で各社は同法に基づき、東京都内に共同作業室を設置。各社の在庫・稼働状況を確認し、効率的に燃料を供給する体制を整えた。

 ガソリンスタンドも国の補助事業で災害対応の強化が進む。全体の2割強に当たる8000カ所が拠点給油所に指定され、今年2月末でうち約1300カ所が自家発電機を備えた。停電時の営業を可能にするためだ。石油連盟の中田徹広報室長は「消費者も緊急時に備えて車のガソリンを満タンに近い状態に保つなど、災害対応の啓発に努めたい」と話している。

     ◇

 国の防災基本計画は電気やガス、石油会社に緊急時対応の計画づくりを求め、コンビニやスーパーには食料や生活必需品の供給などで国や自治体と連携するよう要請している。今後も企業の災害対応で「進化」が求められそうだ。【袴田貴行、藤渕志保】

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