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泡盛

飲まぬ若者、出荷量13年連続減 期限迫る酒税軽減

沖縄料理店のカウンターに並んだ泡盛のボトル北九州市門司区で2018年6月13日午後8時16分、比嘉洋撮影

 今春、沖縄県・宮古島の泡盛酒造所「千代泉酒造所」が廃業した。県酒造組合によると、泡盛酒造所の廃業は1988年以来30年ぶり。若者のアルコール離れや酒の好みの多様化で泡盛の出荷量は13年連続で減少しており、赤字経営の酒造所は3割を超える。来年5月には沖縄だけに適用されている酒税の軽減措置の期限も迫り、泡盛を取り巻く環境は厳しさを増している。

     「古里の泡盛がなくなるのは寂しいね」。6月のある夜、北九州市門司区の沖縄料理店「一花でいご」。宮古島出身の男性(46)は泡盛の水割りを飲みながらつぶやいた。

     泡盛を造る全46社が加盟する県酒造組合によると、戦後間もない48年創業の千代泉酒造は、銘柄「千代泉」が島内を中心に親しまれたが、2013年に経営者が亡くなってからは後継者が見つからず休業。タンクに残っていた在庫が引き取られ、3月末に廃業した。

     背景には泡盛の消費の低迷がある。出荷量は04年に2万7688キロリットルのピークに達したが、翌年から減少の一途をたどり、昨年は1万7709キロリットルとピーク時と比べると36%減となった。近年は「本格焼酎など本土の酒との競合が激化している」(県酒造組合)ことも消費低迷の一因になっているという。

    泡盛の出荷量

     こうした中、業界が気をもむのが、72年の本土復帰時に激変緩和措置として適用された酒税の軽減措置の行方だ。県内に出荷される泡盛は沖縄復帰特別措置法に基づき、酒税の税率が35%軽減され、その分価格も安く抑えられている。酒税軽減は5年間の時限措置だが、延長が繰り返されており、沖縄の酒税全体の軽減額は年間約31億円に上る。

     ところが、自民、公明両党は17年度税制改正大綱で、17年5月以降の延長期間を初めて2年に短縮。復帰から半世紀近くがたち、特措法を適用し続けることには疑問の声が強まっているという。これに対して、県酒造組合の土屋信賢専務理事(63)は「経営基盤が弱い零細や離島の企業が多く、軽減措置はまだ必要だ」と訴える。

     16年秋には、自民党が県内の酒造業界に集票を担う職域支部の創設を提案。県酒造組合は「泡盛が広く愛されるために特定の政治団体は支持しない」との立場だが、来年5月には適用期限を控え、今後、延長を巡る政治的な駆け引きが再び活発化する可能性もある。

     泡盛業界も手をこまねいているばかりではない。県酒造組合は4月に全酒造所の泡盛が試飲できるイベントを那覇市で初開催するなど認知度向上に力を入れる。千代泉の在庫約2万リットルを購入した那覇市の会員制泡盛バー「泡盛倉庫」代表の比嘉康二さん(33)は、地域の歴史や文化を伝える「ブランド品」として泡盛を売り出す取り組みを始めており、「世界中の蒸留酒ファンに泡盛の魅力を知ってもらう仕掛けを考えたい」と話す。【比嘉洋、宮城裕也】

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