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日米

農畜産、TPP以上懸念 9日からFFR初会合

 日米両政府が9日(日本時間10日)から米ワシントンで開く新たな貿易協議(FFR)の初会合を前に、国内の農業関係者が警戒を強めている。対日貿易赤字に不満を強める米国が、農業分野の市場開放を求めてくるとみられるためだ。米国が自動車の輸入制限をちらつかせるなか、関係者は「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を超える譲歩を迫られるのではないか」と懸念している。

     「(FFRを担当する)茂木敏充経済再生担当相に『農家が心配している。強い気持ちで対応してほしい』とお願いした」。全国農業協同組合中央会(JA全中)の中家徹会長は8日の記者会見で警戒心を隠さなかった。

     農業関係者が懸念するのは、米国が日米自由貿易協定(FTA)の交渉入りを強く迫ってくることだ。トランプ政権は11月に議会中間選挙を控え、FFRで一定の成果を上げたい考え。日本にとって影響が大きい自動車の輸入制限の回避と引き換えに、農業分野の大幅な市場開放を求める可能性がある。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は7月26日、米議会公聴会で日米FTAの必要性を強調し、牛肉について「不公正な障壁がある」と指摘した。

     日本向け米国産牛肉の関税は38.5%。競合するオーストラリア産は2015年に発効した日本との経済連携協定(EPA)で26.9%(冷凍肉の場合)まで下がっている。TPP発効後は最終的に9%まで下がり、関税格差が広がる。

     米国の農畜産業界ではFFRへの期待が高まっており、米国食肉輸出連合会は毎日新聞の取材に「日本への牛肉輸出は、TPPなどで他の競合国が有利になっている。日米が(FFRで)何らかの合意に達し、米国が日本にとって最も信頼できる供給国であり続けられるよう願っている」とコメントした。

     日本など11カ国が3月に署名したTPPでは、日本は農業分野の82%の品目で関税撤廃に応じた。米国とのFTA交渉に持ち込まれれば、TPPの合意を出発点にされ、それ以上の譲歩を迫られる恐れがある。中家氏は「安倍晋三首相も『TPP以上の譲歩はない』と明言している。信じて推移を見守りたい」と語った。

     政府・与党も来夏に参院選を控え、農家の反発が予想される農畜産品の輸入拡大は避けたいところだ。斎藤健農相は7日の記者会見で、「FFRは日米FTA交渉と位置づけられるものではないし、その予備協議でもない」とけん制した。日本はFFRで「米国がTPPに復帰すれば関税格差は解決する」と主張する方針だが、トランプ氏が翻意することは考えにくく、難しい交渉を迫られている。【加藤明子】

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