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特別支援学校

給食の誤飲で脳障害、見舞金不支給に合理性

地裁久留米支部、久留米市に慰謝料500万円支払い命令

 福岡県久留米市立久留米特別支援学校で給食中に窒息し重い脳障害を負った男性が、元々最重度の障害があったことを理由に障害見舞金が支給されなかったのは不当として、母親が独立行政法人日本スポーツ振興センターに見舞金3770万円を求めた訴訟の判決が10日、福岡地裁久留米支部であった。青木亮裁判長は、事故で障害の等級が重くなった場合のみ見舞金を支給するとした文部科学省令の規定を「一定の合理性がある」とし、請求を棄却した。

     訴えていたのは、河村啓太さん(20)の母和美さん(52)。判決などによると、河村さんは同校の中学3年だった2012年9月、教師から介助を受けて給食中に誤嚥(ごえん)により窒息し一時心肺が停止、重い脳障害の後遺症を負った。

     河村さんは生まれつき脳性まひの障害があったが、声や表情で意思表現することもできた。だが事故後は寝たきりになり、笑顔を見せて家族とコミュニケーションを取ることもできなくなった。和美さんは学校の管理下で事故などに遭った児童生徒らに支払われる災害共済給付の障害見舞金支給をセンターに請求した。

     見舞金は文科省令が定める14段階の障害等級に応じて金額が決まっており、最重度の場合は3770万円。センターは「既に障害がある生徒の同一部位の障害については、等級が重くなった分だけ支給する」と定めた省令を根拠に、「河村さんには事故前から最も重い等級の障害があり、事故で障害の程度が重くなったとは言えない」として支給しなかった。

     判決は、省令の規定について「事故前からある障害について二重給付を防ぐためで一定の合理性があり、法の下の平等を定める憲法14条に違反しない」と判断。「不支給は障害者への差別で、憲法違反」とした和美さん側の主張を退けた。

     一方、河村さんらは久留米市に対しても約1億5000万円の損害賠償を求めていた。判決は、河村さんが窒息状態になった後、担当教師が直ちに応援を要請する義務に違反したなどとして、市に対し慰謝料500万円を支払うよう命じた。

     判決後の記者会見で、和美さんは「事故で障害が重くなっても補償されないのはおかしい」と改めて批判。制度改正の必要性を訴えるために控訴する方針を表明した。原告側代理人の八尋光秀弁護士は「重度の障害を持った人への補償が『ゼロ』という状態を放置するのは許せない。国は法整備をする責任がある」と指摘した。

     センターは「主張が認められたものと考えている」とし、久留米市の大久保勉市長は「市の主張が一部認められなかったことを重く受け止めている。判決の内容を精査し、対応を検討したい」とのコメントを発表した。【樋口岳大、高芝菜穂子】

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