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日航機墜落 33年後の報告(その1) 父さん、結婚したよ

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 山懐に抱かれた群馬県上野村。役場前を流れる神流(かんな)川に、夏の終わりを告げるようにヒグラシの鳴き声が降り注いでいた。520人の犠牲者を出した1985年夏の日航ジャンボ機墜落事故を追悼する灯籠(とうろう)流しが行われた11日夕刻、川の岸辺に小澤秀明さん(32)と裕美さん(同)の姿があった。

 大阪の自宅に身重の紀美(きみ)さん(当時29歳)を残して東京への日帰り出張に出掛けた小澤孝之さん(同)が、帰りに同機に乗り合わせたのは同年8月12日。秀明さんが小澤家の長男として産声を上げたのは翌年1月28日のことだった。

 秀明さんが父親の亡くなった年齢を越えたのは2年前だ。昨春に裕美さんと出会い、今年6月に婚姻届を出した。新婚2カ月の2人は、墜落現場の御巣鷹の尾根(標高1565メートル)に立つ墓標に結婚を報告するため、神戸市内の新居から大阪で暮らす紀美さんを伴ってやって来た。

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