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あの日を語り継ぐ

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戦後73年の夏/下 望郷の思い消えず 択捉島出身 伊藤光作さん(83) /秋田

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 「戦争は悪の産物です」

 8月上旬。北方領土・択捉(えとろふ)島(とう)出身の伊藤光作さん(83)=由利本荘市石脇=は、秋田市内で開かれた集会で、約20人の中学生に語りかけた。手元の原稿用紙にはびっしりと文字が書き込まれていた。

 その前後、記者は自宅を訪れ、詳しく話を聞いた。

 伊藤さんは1935年、島南部のビョーノツ地区で生まれた。11人きょうだいの4番目。両親はノリ漁などで生計を立てていた。自宅周辺にはクロユリが咲き、小川では赤い斑点のある魚「オショロコマ」が捕れた。美しい島だった。

 戦時中、米軍の魚雷が命中した日本軍の軍艦が寄港した。船体には大きな穴が開き、人間の肉片が飛び散っていた。生き残った機関長と兵士は重油で真っ黒だった。「初めて戦争の恐怖を感じた」

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