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田中優子・法政大総長

 LGBTの人たちは生産性がないのだからそこに税金を使うべきではない、という自民党議員の考えを知ったとき、税金を使って不妊手術をした旧優生保護法を思い出した。生産と生産禁止という反対方向を向いているものの、そこには人の命を生産物もしくは生産の道具、と考える価値観がある。

 農業の革新に取り組んだ江戸時代の大蔵永常は、綿花栽培の普及にもつとめた。その著書「綿圃要務(めんぽようむ)」で綿花栽培に熟達していた祖父のことを書いている。ある日激しい夕立に遭った。困惑したかと思いきや、祖父は「綿どもが生き生きとしてよろこびあへる」と、まるで子供を見るようなまなざしで綿花を見ていたという。永常は綿花栽培の過程を丁寧に記述した。…

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