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余録

ローマの名所パンテオンは…

 ローマの名所パンテオンは一度焼失後にハドリアヌス帝が再建したものだが、それでも1900年の時を経て当時の姿を目の当たりにできる。キリスト教の聖堂となり、破壊を免れたためだがそれだけではない▲高さ約43メートルの壮麗(そうれい)な円形ドームの神殿の建設には、ローマン・コンクリートという火山灰をまぜたコンクリートが使われている。現代のコンクリート建築に比べ、寿命も強度もはるかにまさるというその証拠がこのパンテオンという▲中世に石材を流用されたコロッセオが、4層の往時の面影をとどめるのもローマン・コンクリートのおかげという。同じく各地に残る水道橋などの施設の中には今も使われているものがある。古代ローマのインフラ技術おそるべしだ▲こちらは約50年前にできた橋が崩落したという。イタリアのジェノバで高速道路の橋が通行中の車と共に約100メートルにわたって落ち、多数の死傷者、行方不明者が出た。原因は橋の老朽化とみられ、点検や補修のミスの可能性がある▲イタリアでは経済の低迷を背景にインフラ改修の遅れが問題視され、近年は高架橋の落下事故がたて続けに起こっていた。ローマ帝国の末裔(まつえい)にしてみれば、現代のコンクリートと鉄のインフラの短い寿命を嘆きたくなるところだろう▲高度経済成長期に造ったインフラが老朽化し、次々に改修が迫られているのは日本も同じで、ひとごとでない。「永遠の都」はもちろん、古今東西のあらゆる知恵にすがりたいインフラの長寿命化である。

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