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絶滅危惧種

シダ植物自生地ほぼ壊滅 公益財団法人が伐採

スギの伐採などでほぼ壊滅したシムライノデの自生地=東京都内で2018年2月、海老原淳・国立科学博物館研究主幹提供

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絶滅危惧種のシムライノデ=海老原淳研究主幹提供

 環境省が絶滅危惧種に指定するシダ植物「シムライノデ」の東京都内にある自生地が、都出資の公益財団法人「都農林水産振興財団」の伐採事業により、ほぼ壊滅状態になってしまったことが分かった。研究者によると全国で唯一の自生地だったといい、財団は「事前に環境調査をしておらず、希少なシダがあることは知らなかった」としている。

 シムライノデはオシダ科で50~80センチほどの葉を持つ。環境省のレッドリストで「近い将来、野生での絶滅の危険性が高い」絶滅危惧1B類に分類される。

 シムライノデの自生地があったのは、東京都西部にある私有地のスギ林約1ヘクタール。森林管理などを行う同財団が3年前から今年春まで実施したスギの伐採や植林事業で、スギと一緒に刈り取られたり踏み荒らされたりしたとみられる。

 市民からの通報で国立科学博物館の海老原淳研究主幹(植物分類学)が今年2月に現地を訪れ、自生地が荒らされていることを確認。伐採予定地に残っていた数十株を同館筑波実験植物園(茨城県つくば市)などに保護した。海老原研究主幹によると、シムライノデはこの自生地で一定の個体数が確認されていたことから、野生での絶滅の危険が最も高い「1A類」に分類されてこなかったという。

 絶滅危惧種の植物の詳細な生息地については、環境調査を実施していたとしても把握が難しいという現実もある。情報が流出すると盗掘につながる恐れがあり、レッドリストをまとめる環境省希少種保全推進室の担当者は「保護や調査のためでも生息地の具体的な情報提供は難しい」と話す。都環境局は「このシダの詳細な情報は把握していなかった」と釈明する。

 保護したシムライノデを生息地に植え戻すことも検討されているが、保護の際に自生地にいない微生物が付着した可能性があり、生態系を壊す危険があるため難しいという。海老原研究主幹は「このような事態が繰り返されないよう、盗掘を警戒しながら希少な植物の情報を共有する仕組みを作る必要がある」と指摘する。【岩間理紀】

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