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記者の目

台湾のクレオール語「ニホンゴ」 言語奪った歴史、忘れまい=福岡静哉(台北支局)

宜蘭クレオール「ニホンゴ」で会話する呉以諾さん(左)と張桜芬さん=台湾東北部・宜蘭県寒渓村で4月5日

 台湾北東部・宜蘭(ぎらん)県にある寒渓(かんけい)、澳花(おうか)、東岳(とうがく)、金洋(きんよう)の4村で話されている「ニホンゴ」についての記事を書いた。「日本語」ではない。台湾先住民のタイヤル族、セデック族のそれぞれの固有言語が、日本語と接触することで生まれた新言語「宜蘭クレオール」である。「クレオール」とは、フランス語で「植民地生まれ」のことだ。この異なる言語の融合は、日本による台湾の植民地統治によって引き起こされた。一人の日本人として、心に重苦しさを感じながらの取材だった。

 宜蘭クレオールは日本人にとって不思議な言語だ。例えば「暑い。もう歩きたくない」は「キルクス、アルクサン、モウ」。この地域でセデック語を吸収したと推定されるタイヤル語と日本語の語彙(ごい)が混ざり、文法構造やアクセントも日本語とは異なる。タイヤル語を母語とする人も、日本人も、うまく聞き取れない。

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