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戦争を知らないけれど

戦後73年。犠牲者を悼む夏も平成最後となり、体験はさらに遠のく。それでも、受け継いでいけることはあるだろうか。若い世代とともに、同世代の記者も考えた。本当の戦争を知らないけれど。

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戦争を知らないけれど

/3 響けウチナーグチ 35歳と21歳、芝居で時代にあらがい

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沖縄戦をテーマにウチナーグチで芝居を演じる比嘉座の小禄隆司さん(左)と比嘉陽花座長=沖縄県うるま市の石川歴史民俗資料館で、藤井達也撮影
沖縄戦をテーマにウチナーグチで芝居を演じる比嘉座の小禄隆司さん(左)と比嘉陽花座長=沖縄県うるま市の石川歴史民俗資料館で、藤井達也撮影

 伸びやかな「ウチナーグチ」(沖縄の言葉)の声が響いた。7月29日、沖縄県うるま市であった演劇集団「比嘉座」の公演。座長の比嘉陽花(はるか)さん(35)が舞台に立った。

 「わったーや若さるとぅちねー戦世(いくさゆ)やたんやー」(私たちの若いときは戦争の時代だったね)

 比嘉さん演じるおばあが寝ていると、少女だった自分が現れる。沖縄戦の激戦地だった本島南部で、ガマ(壕(ごう))に隠れて戦火を逃れた。

 客席で、おじいが深くうなずく。脇で母親に連れられた少女が、じっと見つめていた。

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