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戦後73年。犠牲者を悼む夏も平成最後となり、体験はさらに遠のく。それでも、受け継いでいけることはあるだろうか。若い世代とともに、同世代の記者も考えた。本当の戦争を知らないけれど。
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伸びやかな「ウチナーグチ」(沖縄の言葉)の声が響いた。7月29日、沖縄県うるま市であった演劇集団「比嘉座」の公演。座長の比嘉陽花(はるか)さん(35)が舞台に立った。
「わったーや若さるとぅちねー戦世(いくさゆ)やたんやー」(私たちの若いときは戦争の時代だったね)
比嘉さん演じるおばあが寝ていると、少女だった自分が現れる。沖縄戦の激戦地だった本島南部で、ガマ(壕(ごう))に隠れて戦火を逃れた。
客席で、おじいが深くうなずく。脇で母親に連れられた少女が、じっと見つめていた。
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