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「8年越しの花嫁」の難病

死亡率7%の壁(1)発症から8カ月後、感染症の末に

 昨年末に公開された映画「8年越しの花嫁」(佐藤健さん、土屋太鳳さん主演)は、結婚式を目前に控えた女性が「抗NMDA受容体脳炎」を患い、長く意識不明が続いたものの克服し、寄り添ってきた婚約者と8年後に結ばれた実話を基に作られた。一定の治療法が確立してきた現在、大半の患者は快方に向かうことが見込まれるようになった。その一方で若くして命を落とす患者もいる。静岡県裾野市の高校生だった望月綾さんは発症から8カ月後、感染症の末に亡くなった。経過をたどると、感染症にかかりやすくしてしまう治療法の特質に加え、効能が期待される薬が国内の多くの病院で使えない事情が浮き彫りになった。死亡率7%――。立ちはだかる壁を破るにはどうすればいいのか。家族や医師の話を中心に問題を考える。(3回連載)【照山哲史】

 望月さんが激しい頭痛と38度近い発熱に襲われたのは2016年2月末、高校2年生の時だった。男子ハンドボール部のマネジャーを務めるなど普通に学校生活を送っていたという。3月2日に自宅近くの内科医の診断で風邪薬を処方されるが、頭痛は治まらない。2日後に別の病院にかかると、コンピューター断層撮影(CT)で、別の脳炎の疑いを指摘されて緊急入院。幸いに一般的な脳炎の治療で頭痛は改善し、熱も下がり3月末にいったん退院することができた。ところが、自宅に戻ると、不可解な言動が出始める――。

 「私、なんで生きているの?」と繰り返していたかと思うと、ぼーっと一点を見つめ、誰かが支えていないと倒れてしまうような状態になった。不安を覚えた母親(49)が電話で病院に問い合わせた。「薬の副作用ではないか」との返事に、釈然としなかったという。

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