和歌山県太地町を巡る世界的な捕鯨論争を追ったドキュメンタリー映画「おクジラさま ふたつの正義の物語」(公式サイトはこちら)が17日から、反捕鯨派が多数を占める米国で公開される。テーマは捕鯨の是非ではなく、どうすれば異なる意見の人が分かり合えるかだ。太地町のイルカ追い込み漁を反捕鯨団体の視点からセンセーショナルに記録し、2010年にアカデミー賞のドキュメンタリー賞を受賞した米映画「ザ・コーヴ」とは対照的だ。
「コーヴ」はヒーロー役の活動家が「悪事」をする太地町の漁師を相手に奮闘する勧善懲悪の物語だ。日本への理解を欠いた観客が見ると「即刻イルカ漁をやめろ」と叫びたくなる内容だが、太地町で漁師と活動家の双方に話を聞いた「おクジラさま」はまったく異なる視点を提供している。米ニューヨーク在住の佐々木芽生(めぐみ)監督(56)は「捕鯨を巡って両極化した意見が激突し、溝と憎悪が深まる状況はトランプ政権下の米国に…
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2003年入社。水戸支局、社会部、ロサンゼルス支局を経て2019年から東京社会部。2008年の北京五輪を現地で取材した。元プロテニスプレーヤーで、1995年全日本選手権シングルス3位、ダブルス準優勝。ウィンブルドンなど4大大会にも出場した。
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