連載

デーリー通信

毎日新聞デジタルの「デーリー通信」ページです。最新のニュース、記事をまとめています。

連載一覧

デーリー通信

(21)映画「おクジラさま」米で公開 米国の分断に重なる捕鯨論争

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
「おクジラさま ふたつの正義の物語」を制作した佐々木芽生監督=米ロサンゼルスで2018年8月14日、長野宏美撮影
「おクジラさま ふたつの正義の物語」を制作した佐々木芽生監督=米ロサンゼルスで2018年8月14日、長野宏美撮影

 和歌山県太地町を巡る世界的な捕鯨論争を追ったドキュメンタリー映画「おクジラさま ふたつの正義の物語」(公式サイトはこちら)が17日から、反捕鯨派が多数を占める米国で公開される。テーマは捕鯨の是非ではなく、どうすれば異なる意見の人が分かり合えるかだ。太地町のイルカ追い込み漁を反捕鯨団体の視点からセンセーショナルに記録し、2010年にアカデミー賞のドキュメンタリー賞を受賞した米映画「ザ・コーヴ」とは対照的だ。

 「コーヴ」はヒーロー役の活動家が「悪事」をする太地町の漁師を相手に奮闘する勧善懲悪の物語だ。日本への理解を欠いた観客が見ると「即刻イルカ漁をやめろ」と叫びたくなる内容だが、太地町で漁師と活動家の双方に話を聞いた「おクジラさま」はまったく異なる視点を提供している。米ニューヨーク在住の佐々木芽生(めぐみ)監督(56)は「捕鯨を巡って両極化した意見が激突し、溝と憎悪が深まる状況はトランプ政権下の米国に…

この記事は有料記事です。

残り3621文字(全文4026文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集