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麗しの島から

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「ニホンゴ」の村で収穫祭に参加した

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 台湾の先住民族タイヤル族が多く住む台湾北東部・寒渓(かんけい)村。ここでは今も、日本語と先住民族タイヤル族の言語が交ざった、日本語とは異なる新言語「ニホンゴ」(宜蘭クレオール)が主に中高年の間で話されている。8月初旬に行われた村の収穫祭に誘われ、参加した。

先祖との対話を重視

 収穫祭は「小米感謝祭」という。「小米」は中国語で穀物のアワのこと。タイヤル族が狩猟やアワの栽培で生活していた名残だという。寒渓村では、作物の種をまく「播種(はしゅ)祭」(1月)▽作物の間引きをする「間抜祭」(3月)▽収穫の始まりを祝う「収割祭」(6月)▽「小米感謝祭」(8月)--と年間を通じて祭事が続く。いずれも祖先と対話をする、とても大切な祭事だ。

 早朝6時。「アンタロコイクー」(どこへ行くのか?)。中国語に交ざり、ニホンゴが飛び交っている。現地を訪れると、メスの豚が村の集会所の床に寝かされていた。既に事切れている。先祖へのいけにえだ。豚の体を触ってみると、まだ生温かい。タイヤル族の伝統衣装に身を包んだ村の長老、鄭豊栄(てい・ほうえい)さん(81)が刀を手に「これで心臓を一突きよ」。日本語教育を受けた世代だけに、流ちょうな日本語だ。頭にはイ…

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