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社説

介護職へのハラスメント どう現場を守っていくか

 介護の仕事をする職員が高齢者や家族からパワハラやセクハラを受ける。あまり表には出ないが、介護現場に深刻な影響を与えている。

     厚生労働省は実態調査を行い、今年度内に介護事業所向けの対策マニュアルを作ることを決めた。

     ハラスメントは介護職員の離職の原因にもなっている。ただでさえ人手不足が深刻な介護の現場を守るためにも対策を急がねばならない。

     介護職員らの労働組合による調査はすでに行われている。それによると、高齢者やその家族からセクハラを受けた経験のある人は約3割、パワハラは約7割にも上る。

     介護職員が1人で高齢者の自宅を訪ね、入浴や着替えの介助などをする訪問介護や定期巡回などで被害にあうケースが多い。暴言を浴びたり、体を触られたり、わいせつなことを言われたりするという。

     訪問介護事業所では、女性職員の比率が8割程度と高いため、男性利用者の介助に女性職員が入らざるを得ないことも背景にある。

     厚労省が定めた介護サービス運用基準では、正当な理由なく事業者がサービス提供を拒むことを禁じている。労組側はセクハラなどをする利用者は拒めるよう基準を改め、必要な場合は職員2人で訪問介護ができるよう介護報酬を改定することを求めている。

     自治体の中には、1人での訪問介護が難しい場合、複数で訪問介護ができるよう独自の補助金を出すことを計画しているところもある。

     在宅介護の現場はストレスが多く、家族も疲弊している。介護職員と高齢者や家族の間で感情的な対立が起きないための配慮も必要だ。

     家族による暴力やセクハラは論外だが、高齢者の場合、孤独感や疎外感から問題行動をしたり、認知症の症状によってセクハラ的な言動をしたりする場合もある。

     高齢者の心情の理解と、認知症への適切なケアによって、問題行動が改善することも多い。介護職員の支援技術の質を高める中で、そうした改善を目指すことも必要だろう。

     居宅介護サービスを受けている高齢者は現在360万人を超えており、今後も増え続ける。介護職員を守り、かつ利用者との信頼を高めるための方策が求められる。

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