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荒川洋治・評 『現代文士廿八人』=中村武羅夫・著

 (講談社文芸文庫・1728円)

第一印象による明治の文学像

 明治の文学者の素顔を伝える貴重な著作。著者は二〇、二一歳のころに書いた。

 作家中村武羅夫(むらお)(一八八六-一九四九)は、北海道・空知の開拓農民の家に生まれた。代用教員のあと上京し、文芸誌『新潮』をてつだう。一九〇八年(明治四一年)から訪問記者として「廿(にじゅう)八人」の文士を訪ね、その<初対面>の率直な印象を『新潮』に連載(筆名・王春嶺)。最年長は内藤鳴雪(六一歳)、最年少は片上天弦(二四歳)。以下同様に、掲載時の文士の年齢、作品の状況などを記しておく。

 夏目漱石(四一歳/『それから』の一年前)。漱石を訪ねたのは、夕方六時ごろ。「初秋の日はすでに暗かっ…

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