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今週の本棚

川本三郎・評 『ここにいる』=王聡威・著、倉本知明・訳

 (白水社・3024円)

死によって逆に生が浮き上がる

 二〇一三年に大阪市のマンションの一室で二八歳の母親と、三歳の男の子が餓死状態で見つかるという事件が起き、世間の注目を集めた。進行する無縁社会の象徴と語られたが、なぜ母子はそこまで追いつめられなければならなかったのか。

 台湾の作家、王聡威(ワンツォンウェイ)(一九七二年生まれ)は、この事件に関心を持った。物語は台北に置き換えられ、四○歳手前の母親と六歳の女の子が死に至るまでが語られてゆく。

 独特なのは手法。ノンフィクションとは違う。美君(メイジュン)というその母親、小学生の娘、さらには夫…

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