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「特殊な環境で撮影できたことは、役者冥利に尽きますね」。子どもの頃から将棋のプロを目指しながら年齢制限で夢を絶たれた男が、将棋界初となるプロ編入を目指す姿を描いた映画「泣き虫しょったんの奇跡」(豊田利晃監督)で、実在のプロ棋士、瀬川晶司五段を演じた。
役者として実在の人物を演じることは多々あるが、その人物が撮影現場にいることはめったにない。だが、今作では瀬川本人が現場に立ち会う機会が何度もあった。「自分の演じた役がいたらいいな、話してみたいなという気持ちになることがあるけど、今回はまさにそれ。瀬川さんが近くにいてくれて、特別な撮影になりました」。瀬川も出演したシーンは「すごい意識しちゃって、さすがにやりづらかったです」と笑う。
小学5年の「しょったん」こと瀬川は、中学生でプロになった谷川浩司棋士のニュースを見て将棋に熱中し、中学3年でプロ棋士養成機関・新進棋士奨励会に合格する。「26歳の誕生日までに四段になれなければ退会」という鉄のおきてが存在する世界。三段までは昇段したものの、年齢制限の壁を越えられなかった瀬川は大学進学、就職を経て、アマの世界で頭角を現していく。
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