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詩の橋を渡って

手仕事に見立てる「旅」=和合亮一(詩人)

和合亮一さん

8月

さいごの糸をむすび切ると

その旅をおえて

ボタンはブラウスの一部となる

そして息をひとつ またひとつ

ボタンは貝であったころの

うみの呼吸をとりもどす

 詩を書くことをたとえてみるとするならば何だろう。岡島弘子の新詩集『洋裁師の恋』(思潮社)を読みながら、あれこれと思いをめぐらせた。「光と風の中から つまみあげると/息を吹きかえすボタン/糸と針で穴をうめると/もうひとつ息をする」

 岡島は洋裁の手仕事にそれを見立てている。単なる部品であるボタンはしかし、一つの詩の中の大切な言葉の…

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