メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

炎のなかへ

/238 アンディ・タケシの東京大空襲 石田衣良 望月ミネタロウ・画

その夜(73)

「もうすこしだ、公園にいこう」

 タケシはふらつきながら全力で立ちあがった。右肩を登美子が支えてくれる。

「またタケシくんに助けられちゃったね」

 タケシは登美子の肩を借りて、公園まで足を引きずりながら歩いた。入口近くの立木は生きたまま燃えて、幹からぶつぶつと水蒸気をあげている。だが、木々の間には数日前に降った雪が泥をかぶった山になって残っていた。この冬は厳しい寒さだった。

 錦糸公園のあちこちに避難民が身を寄せていた。いけがきのなかに隠れる者、燃え残った大樹に集う者、呆然…

この記事は有料記事です。

残り724文字(全文966文字)

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 新潟県下越で震度6強 新潟、山形、石川に一時、津波注意報
  2. 震源は「日本海東縁ひずみ集中帯」 逆断層型、繰り返し発生 新潟震度6強
  3. 意識不明の巡査 手術で快方に向かう 拳銃強奪
  4. 日本海側、過去にもM7クラスの地震 津波で死者も 新潟震度6強
  5. 戦争の不条理 獄中の嘆き 元陸軍大尉が手記「勝者が敗者裁く」

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです