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ネットウオッチ

東京五輪学生ボランティア 「応援サイト」が急拡散 「猛暑も絆で耐えられる」/組織委を褒め殺し

早稲田大2年の松本海月さんが制作したサイト「東京五輪学生ボランティア応援団」

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     「東京五輪学生ボランティア応援団」というサイトが、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で拡散している。一見、2020年東京五輪・パラリンピック(7月24日~9月6日)の学生ボランティアを絶賛しているようで、実は痛烈な風刺になっているのだ。サイトを制作した早稲田大政治経済学部2年の松本海月(かずき)さん(20)に、サイトに込めた思いを聞いた。【大村健一】

     もともと社会に広く訴えるつもりはなかったという。19日に「友達に見せる」くらいの感覚で6時間ほどでサイトを作り上げた。翌20日に各種SNSで急激に拡散され、ツイッターの拡散数などを示す「トレンド」ランキングでは一時、国内トップ3に入った。

     松本さんはサイト冒頭に「五輪組織委員会はやりがいあふれるボランティアの機会を与えてくださろうとしています。同じ学生の立場から、学生の皆さんにボランティアの意義や魅力を伝えるため」と書いている。

     だが、読み進めていくと、次第に「褒め殺し」であることが分かってくる。

     当初の計画から膨れあがった大会経費については「当初のチンケな額じゃ、東京五輪は素晴らしいものになり得ない。1兆円以上ものお金があれば、必ずや『クール・ジャパン』と称賛される」とたたえ、予想される猛暑については「絆さえあれば艱難辛苦(かんなんしんく)にも耐えられるはずです」と論じる。

     そして最後は痛烈な皮肉で締めくくられる。

     「戦中の金属供出を彷彿(ほうふつ)とさせる都市鉱山からのメダル製作」「酷暑に対して打ち水で挑もうとする竹槍(たけやり)根性」--などの要素がそろえば「美しい国・日本は世界に誇る自己犠牲の精神をもって最高の五輪を実現できる」。

     松本さんは学園祭の実行委員会にも加わる活動的な学生だ。「五輪自体に反対ではないし、自分もかつてはボランティアに参加したいと思っていた」。しかし、大会経費の肥大化や、政府がボランティア募集のため、全国の大学に対し大会期間中に授業をしないよう暗に求める通知を出したことなどに違和感を覚えるようになった。「やりがいを名目に若い世代から搾取するようなもの。もっと学生側に恩恵があるよう予算の使い方を見直すべきです」

     若者を多く取材しているマーケティングライターの牛窪恵さん(50)は「無償でも『汗水を流して頑張ることに意義がある』と若者を納得させられたのはバブル時代まで」と指摘し「若い世代は、人の役に立ちたいという思いはむしろ強い。それはボランティアの本質ともいえます。その点を具体的に説明できないまま参加を呼びかけても反感を買うだけです。丁寧に説明し、理解を得ていくことが重要でしょう」。=随時掲載

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