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本村凌二・評 『ロシアと黒海・地中海世界--人と文化の交流史』=松木栄三・著

 (風行社・4428円)

奴隷交易が与えた影響をひもとく

 江戸幕府の鎖国体制のなかでも、18世紀末にはいち早くロシア船が北海道に来航し、漂流民を護送するとともに通商を求めた。アメリカのペリー来航より半世紀以上も前の出来事である。それにもかかわらず、ロシアは近くて遠い国である。まして中近世のロシアともなれば、われわれ日本人の目が届きにくいところにある。ルーシとよばれたロシア人自身からして西方や南方に目が向きがちであったから、シベリアの彼方(かなた)にある小国など眼中になかっただろう。

 しかし、グローバル・ヒストリーとしての世界史を考えれば、きわめて重きをなす問いかけになる。前近代の…

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