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猫といっしょに年をとる

自然界のサイクル=加藤由子

袖振り合うも多生の縁。また会おうね

 30年前、飼い猫のミーの遺体を庭のツツジの木のそばに埋めた。日当たりの悪い狭い庭にあったそのツツジは、それまで花が咲くことがなかったが、翌年から満開の花をつけるようになった。ミーがツツジの花になってよみがえったことがうれしかった。

     陸生動物は死ぬと微生物に分解されて土になり、その土は植物の栄養になり花を咲かせ実を育み、虫や鳥の糧になる。その虫や鳥を糧に生きる動物たちがいて、そして皆、いずれ死に土に戻る。野生動物はこのサイクルに組み込まれて悠久の命を脈々とつないでいる。ミーも自然界のサイクルに組み込まれ地球の一部として永久に存在し続ける。そう思うと、草にも木にも虫にも野鳥にもミーを感じることができた。

     集合住宅に引っ越してからは、死んだ猫を個別に火葬してもらい、大きな植木鉢に埋めて樹木葬にしている。せめて骨だけでも自然界のサイクルに乗せてやりたいと思うからだ。文明を作った人類は、一緒に暮らす猫をはじめとする家畜とともに自然界のサイクルから離脱した。それは豊かさをもたらした一方で、地球の生命体の一部という連帯感を忘れさせた。それが寂しい。私のそばで暮らした猫たちを自然界のサイクルに乗せ、私も同じサイクルに加わりたいと思う。

     私は樹木葬に生前契約をすませている。いつかチビもサイクルに乗せるべく送り出そう。ベランダに飛び込んできては死んでいくアブラゼミを植木鉢の土に埋めながら、そんなことを考えている。(動物ライター、写真も)

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