演劇

青年座「ぼたん雪が舞うとき」 「避難弱者」の視点で鋭く=評・濱田元子

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 広島と長崎に原爆が投下された8月。戦争と核にこだわって公演を行ってきた青年座の意気込みが伝わる企画だ。

 福島県いわき市出身の劇作家・演出家の高木達が実体験を基に書き下ろした2人芝居。原発事故の問題を「避難弱者」の視点から、静かに淡々と、しかし鋭くえぐる。齊藤理恵子演出(A組)。

 舞台は事故を起こした原発から30キロ離れた一軒家の一室だ。聴覚障害のため補聴器が必要な夫(横堀悦夫)と、心筋症で倒れ、薬が欠かせない妻(津田真澄)という初老の夫婦が、屋内退避指示に従っていた1週間が描かれる。

 たくさんの衣装ケースが雑然と置かれた部屋にこもった夫婦。非常時ではあるが、夫婦の日常の延長にある何気ない会話が、災害の不条理と相対し、不気味な空気に覆われていく。

この記事は有料記事です。

残り418文字(全文745文字)

あわせて読みたい

ニュース特集