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認知症、飲酒が原因の可能性

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就労移行支援事業所で内職作業をする男性。アルコール性認知症と診断されたが、断酒して記憶を取り戻した=大阪市内で、反橋希美撮影
就労移行支援事業所で内職作業をする男性。アルコール性認知症と診断されたが、断酒して記憶を取り戻した=大阪市内で、反橋希美撮影

 65歳以上の日本人の4人に1人が認知症かその予備軍とされている。要因はさまざまだが、その一つにアルコールがあることはご存じだろうか。高齢化が進む中、お酒の問題を抱える人の中でお年寄りの割合も増えている。「アルコール性認知症」の症状や治療の可能性を取材した。

 ●増える高齢患者

 物忘れが目立つようになった高齢男性。家族が病院に連れて行くと、若い時からのお酒の飲み方を指摘され、依存症の専門病院を紹介された--。アルコール依存症を専門に扱う東布施辻本クリニック(東大阪市)ではこの15年ほどで、こんな患者が増えてきた。

 アルコール問題のある患者の高齢化は、臨床現場で指摘されている。背景には、定年後に生きがいを失って依存症になる人の増加や、医療の進展で肝機能障害などの身体疾患を一定程度は治せるようになったことが挙げられる。クリニックの辻本士郎院長は「以前は考えられなかったような70、80代の患者も少なくない。そのほとんどは初診時、認知機能も低下している印象だ」と話す。

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