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社説

米国務長官の訪朝取りやめ 非核化の「漂流」止まらず

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 一体、どうなっているのか。

 ポンペオ米国務長官が23日、4度目の訪朝予定を発表した。するとトランプ大統領は翌日、訪朝中止を長官に求めたことを明らかにした。

 「現状では非核化に進展が見込めないから」とトランプ氏は言う。だが、国務長官の面目はつぶれ、ホワイトハウスと国務省の連携の乱れも浮き彫りにされた。近年の米国政治では異例の事態で、これ自体が非核化交渉にとってマイナスだろう。

 例えて言えば、荒海を行く船の目標(非核化)がさらにかすみ、船内(米政府)の和も乱れ始めたようなものだ。船長(大統領)の方向感覚にも重大な疑問があり、漂流状態はますます深刻になっている。

 ポンペオ氏は今回、北朝鮮担当特別代表にフォード・モーターのスティーブン・ビーガン副社長を任命し、同氏と共に訪朝する予定だった。

 この訪朝が成果につながったかどうかは何とも言えない。だが、6月の米朝首脳会談の成果を誇っていたトランプ氏が一転、悲観的な見解を示したことは、非核化の先行きに改めて大きな不安を投げかけた。

 進展に欠ける理由について、トランプ氏は中国が非核化に熱心でないことを真っ先に挙げる。一方、中国外務省は「他国のせいにするな」と反論し、トランプ政権の一貫しない対応は無責任だと批判した。

 だが、「内輪もめ」をしても仕方がない。最も重要な問題は、米朝首脳会談における漠然とした共同声明後、米国が非核化につながる具体的成果を上げられず、非核化の達成時期も明確に示せないこと。つまり北朝鮮の核保有を事実上黙認するような方向へ事態が進んでいることだ。

 こうした状況は一日も早く変えなければならない。トランプ氏は独断や独走を控え、米政府のチームプレーとして、北朝鮮の非核化を図る方策を積極的に講じるべきだ。この際、日本を含む同盟国の意見に謙虚に耳を傾けるのも有益だろう。

 日本もトランプ政権に率直に苦言を呈してもいい。北朝鮮の脅威を真正面から受けるのは日本である。仮に米朝交渉が不調に終われば、日本は核武装がさらに進んだ北朝鮮と向き合うことになりかねない。国民の将来にわたる安全を願うなら、ここは日本政府の正念場だ。

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