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西日本豪雨

対策怠り送水施設破損 広島県、砂防ダム過信

土石流で損壊しフェンスで囲まれた小屋浦開閉所跡。右中央の礎石は全壊した砂防ダムの基礎=広島県坂町小屋浦で2018年7月15日、松浦吉剛撮影

 西日本豪雨で生じた広島県内の大規模断水で、土石流で損壊した県営水道トンネルの管理用出入り口が土砂災害の想定区域に立地しながら、県企業局が災害対策を実施していなかったことが分かった。出入り口は同県坂町小屋浦地区にあり、ここからトンネル内に土砂が流入して送水が止まり、呉市や江田島市など最大約16万人に影響した。県企業局は「砂防ダムで被害が軽減すると考えていた」と釈明し、出入り口の形状の改良など対策を進める。

 被災したのは、県営水道の管理施設「小屋浦開閉所」。広島市内を流れる太田川の水を県南部に送る「戸坂(へさか)系6号トンネル」(15.6キロ)に下りる縦穴があり、出入り口(約2メートル四方)は地上部分の土台に強化プラスチック製のふたがボルトで固定されていた。ほかに水流を調節するゲートの電動装置が1基あり、周囲はフェンスで囲まれていた。

 県企業局は7月6日夜、トンネル内の水位低下を把握。9日に小屋浦開閉所付近で土砂がトンネル内に入っていることを確認した。開閉所は土石流で決壊した砂防ダムの約25メートル下流の右岸にあり、出入り口のふたや電動装置が土台のコンクリートごと流失。流入した土砂を撤去し、12日に送水を再開した。

 砂防ダムがあった天地川は、土石流で人家や公共施設に被害が生じる恐れがあるとして県が公表している「土石流危険渓流」の一つ。下流は被害想定区域だった。県土砂法指定推進担当は「砂防ダムがあっても決して安全ではない。被害想定は県のサイトで公開し、県の各部署がそれぞれの施設の防災に活用していると考えている」と説明する。

 管理施設は50年以上前の建設とされるが、2002年に危険渓流と公表された後も県企業局は災害対策を講じなかった。今後は土石流が直撃しないよう小屋浦を含む開閉所3カ所の設備を撤去し、地下への出入り口は地面との段差がないマンホール状のふたに切り替える計画を進める。

 この送水トンネルでは06年8月、天井崩落事故により呉、江田島両市で大規模断水が起きた。県企業局は、事故などによる送水停止のリスクを減らそうと、バイパストンネル建設を計画。4年遅れの16年度に着手し、21年度に完成する予定だった。【矢追健介、松浦吉剛】

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