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武田 砂鉄・評『検閲という空気』アライ=ヒロユキ・著

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知らず知らずのうちに人々を萎えさせるやり口

◆『検閲という空気』アライ=ヒロユキ・著(社会評論社/税別2200円)

 今の世の中、敏感になると息苦しいので、鈍感になることでやり過ごす人が多い。でも、個々の鈍感が、自由に活動できる領域をやがて狭めていくのだから、その鈍感って罪深い。政治にしろ、芸術にしろ、公共空間にしろ、これはやめておいたほうがよさげ、という漠然とした配慮が、いつの間にか検閲や規制として屈強にそびえ立つ。

 「自由を阻害するものの姿は一様ではない。検閲、規制、妨げ、縛り、自粛、監視、圧力、強制」を一括して「NG」とし、「自由を奪うNG社会」を考察した本書は、社会の不寛容を拾い上げ、それらが連結した時の暴力性について警戒する。

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