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社説

政府の障害者雇用率調査 義務果たす計画を早急に

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 国の行政機関の8割が障害者手帳を持っていない人を障害者雇用率に算入し、その数は計3460人に上ることを政府が公表した。

     昨年のまとめでは、国の行政機関で雇用している障害者は約6900人とされている。その半数がうそだったことになる。制度の根幹を揺るがす深刻な事態だ。

     厚生労働省のガイドラインでは、雇用率に算入できるのは障害者手帳を持っている人か指定医の診断書のある人だけだ。企業や省庁は障害者雇用数を厚労省に報告する際、手帳を確認することが定められている。

     「ガイドラインの解釈の仕方が違っていた」「手帳を確認する必要性を認識していなかった」などと各省庁の大臣らはコメントするが、そうした言い訳は素直に受け取れない。

     地方自治体でも障害者雇用の水増しがあることが報道で明らかになっている。その中には手帳を持っていないことを知りながら虚偽報告していた例もある。国の行政機関の8割が解釈や認識の違いだけで恒常的な水増しをしていたとするのは不自然だ。詳しく検証すべきである。

     省庁の雇用率は、水増し分を差し引くと平均1・19%になり、法律で義務づけられた2・5%を大幅に下回る。1%未満の省庁は半数以上ある。国税庁に至っては1000人を超える水増しが行われてきた。

     公的機関や企業で働くことを希望しながら、よい仕事に就けていない障害者は多い。中央省庁の水増しの分だけ、就労からはじき出された障害者がいるということだ。

     政府は加藤勝信厚労相を議長に省庁の官房長らで構成する連絡会議を設けて対策を検討するという。だが、新たに3500人もの障害者を雇用するのは容易ではない。官邸主導で具体的な行程を定めた行動計画をすみやかに策定すべきだ。

     障害者差別解消法では障害者が働きやすくなるための合理的配慮が公的機関に義務づけられている。民間企業は努力義務にとどまっているが、優れた合理的配慮をしている企業は多い。各省庁は民間を参考にして真剣に取り組むべきである。

     もともと中央省庁は民間企業に範を垂れるべき存在として雇用率も高く設定されている。これ以上の背信や怠慢は許されない。

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