作家の中上健次(1946~92年)が故郷・熊野に開設した文化組織「熊野大学」の夏期恒例セミナーが18、19日、和歌山県新宮市で開催された。テーマは「中上健次1968/1978-新宿という『大学』そして部落青年文化会」。10年を隔てた二つの時代、東京・新宿と新宮という二つの場所を切り口に中上文学が議論された。全国から約50人の聴講生が集まった。
パリの五月革命、プラハの春、ベトナム反戦運動--。「世界史の転換点」とされる68年。3年前に上京していた中上は、新宿の芳醇(ほうじゅん)な時代の空気のなかでフーテン暮らしをしながら、詩や小説を文芸誌に発表していた。ジャズ喫茶に入り浸り、学生運動にも参加した。10年後、作家としてキャリアをスタートさせていた中上は、のちの「熊野大学」につながる「部落青年文化会」を発足。吉本隆明、石原慎太郎さんら文化…
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