改革の現場から/下 意識変えた「試み」 制約ある働き方、体験し理解
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「パパになります!」。東京・日本橋のキリンのオフィス。営業部門の新ケ江(しんがえ)翔さん(33)のデスクに、父親になることを宣言するA4判の紙が掲示された。
しかし新ケ江さんには子どもはいない。育児や介護など時間に制約のある働き方を社員が1カ月間体験する「なりキリンママ・パパ」の取り組みだ。
「パパ」になった新ケ江さんは育児のため、午後5時半の就業時間終了とともに自宅に直帰する。期間中は残業禁止だ。勤務時間中に突然、架空の保育園から「子どもが発熱した」とお迎えコールがかかることもあり、仕事を切り上げて帰宅しなければならない。
この取り組みの発案者は、20~30代の子どもがいない女性営業社員5人。取引先の予定に合わせなければならず、夜の会合も多い営業職場では、出産後も第一線で活躍する女性は少数だ。「女性には営業の仕事を続けていくのは無理なのか」。こんな疑問から、実際にママになった想定で仕事をしてみようと思いついた。
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