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余録

日本史の教科書で見た…

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 日本史の教科書で見た「受(ず)領(りょう)は倒るる所に土を掴(つか)め」という言葉を時おり思い出す。受領は平安時代の地方長官。たとえ倒れてもつかめるものはつかむ、転んでもただでは起きない彼らの強欲を表していた▲たしか今(こん)昔(じゃく)物(もの)語(がたり)の話だった。山道から転落した信濃の受領が、落ちる時につかまった木に生えていたヒラタケを抱えて引き上げられたという。この時、従者らに言い放ったのが先の言葉で、役人の握(あく)力(りょく)の強さのほどを示す説話である▲こんな昔の話を忘れられないのは転んでもただでは起きぬ役人の行状を今もよく目にするからである。森友・加計(かけ)問題で世の指弾を浴びた公文書のずさんな管理を正すはずのガイドライン改正にも、さっそく骨抜き策が登場している▲小紙が入手した経済産業省の内部文書には、政治家らと折衝した際に作成する公文書には「個別の発言まで記録する必要はない」とある。要するに発言の記録は残すなという話で、しかもこの文書自体が即日廃棄の扱いとなっていた▲仮に以前から内部文書通りの運用がなされていれば、そもそも森友・加計問題も発覚しなかった。問題への反省の結論は、公文書による行政のプロセス検証をはなから拒めばいいということか。「ただでは起きない」にもほどがある▲こうなると公文書管理の質を高めるという改正ガイドライン自体が、不都合な文書はあってはならないという話に聞こえてくる。国民の目を行政の実態からさらに遠ざけていく役人の公文書管理の握力である。

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